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おれの山、おれの道

生半可なおっさんが主観的に山登りと人生を語るブログ

其の十八 伊豆ヶ岳〜正丸峠〜刈場坂峠 2015/4/21

山行記録 秩父・奥武蔵

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伊豆ヶ岳は地元埼玉、奥武蔵でおれが最も多く足を運んでいる山だ(2016.4.26現在)。851mと標高は低いがアプローチの山村集落から登山道に入ってしばらくの沢沿い歩き、雑木林の急登から尾根に出てガレ場の稜線、そして最後の鎖場と山の楽しさがコンパクトに凝縮された感じで、しかも駅から歩き出せるという大変使い勝手の良い山なのである。

 しかし「使い勝手が良い山」などと言葉にすると「都合のいい女」みたいでちょっと相手に対して失礼な表現のようにも思え、しかも相手といっても山なわけで、山を相手に失礼なことをいうとなれば山の神様に懲らしめられそうだから、本当はもうちょっとそこに尊敬の念を込めたいのだが、うまい言葉がみつからない。

 なので、非常に前向きな良い意味で「使い勝手がいい」のだということにしておきたいと思う。

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そんな感じの山だから某大手山道具メーカーであるモン◯ルの初心者向けガイドツアーなどにも利用されているようで、先日送られてきた会員向けのパンフレットにそんなのが載っているのを見かけた。そう言われてみると確かに、以前行った時にそんな感じで歩いている団体さんがいたので何なんだろうと思った記憶がある。

event.montbell.jp

まあ要するにモ◯ベルさんにも認められた良い山ということが言いたいだけなのだが。

しかし考えてみると、会員なのにわざわざ伏字にして気を使う意味もわからん。。

要するにモンベルである(分かってるか)!

一人だけ突出して出来過ぎている(コスパ的に)せいで周りとの調和を乱す悪のメーカーモンベル

なるべく全身モンベルにならないようにコーディネートに気を使わなければならない困ったメーカーである。

 

で、そんな良い山伊豆ヶ岳だが、山頂までだとそんなに距離もないので一時間ちょとで登りきってしまう。よって一日の山歩きとなると、そこからどう歩くかということを考える必要がある。

まあ実際は考えるまでもなく子の権現に向かうメジャーな良いルートがあるのだが、同じことを繰り返すのが苦手な性分のおれにとって、過去に2回も行っているルートを一年空けずにまた歩くというのはちょっと由々しき問題である。かといってガイドブックなどに記載されているの他のルートは正丸峠を経由して戻るものぐらいしかなく、それではちと物足りない。

そんな感じで地図を眺めてみると、正丸峠から虚空蔵峠を経て刈場坂峠へと抜ける一本の道が目についた。

 

国道299号と西武秩父線、それぞれが長いトンネルを掘ってその下を通過していく長い尾根上の道。近くを通る車道などもない、なかなか山深い感じでプチ縦走が良さげな道だ。しかも尾根道を抜けた先には大変見晴らしのいい刈場坂峠があり、子の権現コースと比べても遜色のない、いい感じの縦走コースがとれると思われるが、しかしそれにしてはガイドブックにもネットの情報にも取り上げられることが少ないようである。

そんな次第でその辺の事情を確かめに出かけてみた。

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正丸駅から集落を抜けていき馬頭観音を左に入って登山道。伊豆ヶ岳まで登ったら折り返して正丸峠に向かいさらに旧正丸峠、虚空蔵峠と抜けて刈場坂峠。ツツジ山から尾根をまっすぐに降りていき、刈場坂の林道に出たらあとは道に沿って駅に戻る。歩行距離約16km。標高は正丸駅が287mで、最高点はツツジ山の879mとなる。

 

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駅から道路に降りる階段の傍では桜の如き花が満開。たぶん桜ではないのだろう。いつも気になるなかまる屋の看板に見送られてトレッキング開始。

ちなみにこの看板、よく見るとなかなかいい感じに伊豆ヶ岳の全体像がまとまっている。。

 

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最初の舗装道路は程々に勾配のある登りで、ウォーミングアップに丁度いい。安産地蔵尊を過ぎてなかまる屋。平日にしか来ないので、店が開いているのを見たことがない。

 

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巨岩の隣に馬頭観音が見えたら、左に入ると登山道。沢に沿って山に入っていく。

 

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 沢が尽きるところまでひたすら遡行していく。やがて源泉らしき木の根にたどり着く。前回行った時にも同じ場所で写真を取っていたがそんなに印象に残っているわけでもない。

 

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沢が尽きたあたりから斜面を急登し、一気に高度を稼ぎつつ尾根に出る。このあたりの雑木林は新緑がきれいでいい感じ。山頂まで気分のいい尾根道が続く。

 

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しばらく続く岩尾根を登り切ったところが五輪山。そしてそこから少し下ると男坂の入り口が見えて来る。

 

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入り口には諸々の注意書き。岩がもろく、落石の危険があるとのこと。ガイドブックなどによると原則通行止めということらしいが、特に強く止めている感じもない。

 

f:id:yoshixim:20160429150211j:plain「自己責任」ということを書く人というのは何かあった時に責任を負わされる可能性を危惧しているのだろうし、実際山で事故に遭った人や遺族が管理者責任ということで裁判を起こすようなケースもあるようだ。

そしてガイドブックなどではそれを踏まえて通行止めと記載する。

でもその場に赴き実際に登ってみて思うのは、もっと危険な岩場なんて山に行けばいくらでもあるなということである。確かに途中で落ちれば命に関わるような箇所も無くはないが、なんというか、公園のジャングルジムが撤去されるとか、そんな感じの腫れ物扱いというか臭いものに蓋というか、事なかれ主義的な傾向の一端が垣間見えるような気がする。大の大人がその辺の責任問題に関する判断を正しくできないことを前提に、とにかく自分に掛かる可能性がある責任を回避することを優先して世の中回している感じというのはどうなのかなと。

まあ、初心者が軽いハイキングの感じで登ってくる場所にしては険しすぎる崖ということなのだろうか。確かに初めて登った時にはなかなか恐ろしい崖登りだと感じたし、落石が起こりやすいということだとすれば多くの人が訪れるであろう休日などには事故の恐れもあるのかもしれない。

平日だと後続もいないのでその辺は気兼ねなく、ひとまず自己責任で岩に取り付く。

 

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男坂の岩場について、詳しいことは前回前々回の山行記録で紹介しているのでそちらで。鎖を登り、岩を越えて山頂へ。

 

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 山頂からの景色はガスっててイマイチ。山名に関する由緒は様々あるようだ。

 

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来た道を少し戻り、正丸峠方向へ道を分ける。階段をひたすら下り、木々の間を抜けて行く。

 

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しばらく進めば小高山720m、更に下って降り切ったところが正丸峠で標高は600m。正丸峠から馬頭観音方面に降りることで周回ルートとすることも可能だ。

今日は食事の用意が無いので峠の奥村茶屋で何か食べることにする。

 

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奥村茶屋の名物はジンギスカンと正丸丼とのこと。正丸丼をいただく。肉がたっぷり乗ったどんぶり飯にサラダと味噌汁付きで850円。良い味。満足。

 

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茶屋の前の道路を渡って再び登山道に入るといきなり急な登り坂が現れる。今回のコースで一番の急登を一気に直登し、登りきったところが川越山766m。そこからまた一気に下る。

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再び600m近くまで下ったところが旧正丸峠。古い峠道の佇まいがなかなか良い。ここからも正丸駅に降りれる登山道があるようなので、それを使った周回コースも取れそうだ。

 

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さらに尾根の一本道を行く。木々の切れ間からはずっと武甲山の姿が見える。痩せた箇所や岩尾根などもありなかなか楽しい道だった。

 

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長い階段の上り下りなんかもある。ちなみに正丸峠から先は誰にも出会わない貸切状態が続いている。途中には東屋などもあり、思いのほか整備されているが、誰もいない。

 

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虚空蔵峠を過ぎたあたりの荒れた台地と刈場坂峠手前の別荘地。別荘は10件ほど立ち並んでいるようだが人がいる気配はない。

 

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刈場坂峠。ここは林道が交差する場所で、広い駐車スペースがあり、車やバイクで何度か訪れたことがある。かつてあった峠の茶屋は撤去されている。北面が開けていて眺めがよい場所なのだが、この日は薄く靄がかかったようで眺望もいまいちだった。

 

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本日の最高地点、ツツジ山。その先はひたすら杉の密度の濃い植林地帯に突入。なんとなくこの密度が引っかかる。結構急な下りだがまっすぐに降っていくので、木から木へとダイブする感じで幹に抱きつきながら降りていく。

なんとなく杉花粉のエキスが体に染み込んでくるような嫌な予感が。。

 

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杉林の中にもう一つ、ピークを示す標識がある。小都津路山と記されているのだが、その下に誰かが書いた注意書きがありそれによると本当はここが大ツツジ山とのことだ。しかしここに来る前にもツツジ山があったしそちらの方が標高も高い。

どういうことかと地図を見ると上の画像のツツジ山(791mの本日最高峰)が横見山(二子山)と記されている。そしてここ小都津路山は大ツツジ山で、さらに別のピーク(もう少し先で少し低い位置)が小ツツジ山となっている。

正直どの山がなに山かというのはどうでもいいのだが、なぜこんなにも食い違い、そこにこだわる人がいるのかということについては少し気になるところだ。

 

その後もひたすら杉、杉、杉の中を下り、やがて舗装された林道を経て最後は国道299号に出て駅へ向かった。

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その途中にあった「本邦帝王切開術発祥之地」記念碑。

なんじゃそりゃと思ったが読んでみると、なんでもまだ鎖国下にあった嘉永五年、難産に苦しむ妊婦を救うべく、オランダの産科書の翻訳を頼りに日本で初めて帝王切開手術が行われ、結果、麻酔なしの手術は成功し母子ともに健康に暮らしたという、心温まる偉業が成された地であるとのことだった。

考えてみればうちの長女も、帝王切開という医術のおかげでこの世に生を受けたのだ。先人の切り開いた道の上を我々は生きているのだと謙虚な気持ちで再確認し、車を止めた正丸駅に戻る。

 

だが、そんな謙虚な気持ちで山行を終えたおれに、山の神は何故かひどい仕打ちをするのだった。

最後の下山道で半端じゃない花粉にさらされたことがその原因ではないかとおれはにらんでいるのだが、原因は不明。

その日家に帰ってから、なんとなく首筋や肘の裏あたりが痒いな〜と思っていたところ、徐々にその辺が蚊に刺されたような感じに腫れてきて。翌日はなんとか仕事をしたものの、その次の日から3日間ほど全身蕁麻疹(蚊に刺された腫れが全身を覆い尽くしているような感じ)で仕事を休みました。。

 

というよくわからないオチがついたところで。

伊豆ヶ岳から子の権現と逆方向に回る今回のコースは、なかなか歩きごたえがあり、途中食事を取れる茶屋もあり、トイレも茶屋と刈場坂峠にあり、きちんと整備されているコースなのだが、あまり歩いている人はいないようだ。

下山ルートがいまいちパッとしないが、伊豆ヶ岳に登る際のバリエーションルートとしてはなかなか使えるんじゃないか、といった感じである。

 

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◼︎◼︎過去の伊豆ヶ岳 

yoshixim55.hatenablog.com

 

◼︎◼︎今回参考にした地図

山と高原地図 奥武蔵・秩父 2016 (登山地図 | マップル)

山と高原地図 奥武蔵・秩父 2016 (登山地図 | マップル)