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おれの山、おれの道

生半可なおっさんが主観的に山登りと人生を語るブログ

其の十壱 子持山 2014/12/3

山登りを始めてから毎回そうなのだが、次はどの山に行こうかと迷うことがほとんどない。その時々で行きたくなる山が向こうから呼びかけてくるような、そんな感じがする。ちょっと神懸かり的な感覚…「おれは山の神の申し子なのではあるまいか?」などと冗談半分で勘違いしてみたりするわけだが、そんなはずないわな。。

まあ、人というのは勘違いしながら生きて行くものである。だが山というのは時に、そんな勘違いから目を覚まさせてくれる。否応なしの現実というものを突きつけてくるわけである。

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赤城PAから望む子持山

 

そんな次第で「本格的」に山の世界に足を踏み入れた2014年の締めくくりは、谷川岳に登った際に車中泊した赤城PAから見上げた山。「これが谷川連峰か?」と素人丸出しの勘違いをさせてくれた上州は渋川市の北に位置する火山岩峰、子持山となった。

谷川岳登山の後、なんとなくこの山のことが気になって調べてみたところ、途中にあるスリリングな岩登りや短いながらなかなかスパイシーなルートに惹かれるものを感じたのだ。

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子持山のシンボル「獅子岩」。関越道からも見える。

 

特に屏風岩と獅子岩という100m前後の高さの切立った岩塊の上に立てるポイントがあるということにこの時のおれは注目していた。

正直なところおれは高いところがかなり苦手で、山登りということを考えた時に、それは体力面と同時にかなりの引っ掛かりを覚えるポイントであったのだが、どうもここのところ大丈夫なのではないかと感じ始めていたのである。

 

伊豆ヶ岳男坂岩殿山の稚児落とし、谷川岳でも多くの鎖場を登った。切れ落ちた断崖の近くに立つ時に多少ビビリはしたものの、それなりに切立った岩場を登ってこれたことで、もしや高所恐怖症は克服されたのかと、そんな期待が芽生えていた。

その真偽の程を、スリリングでありながらも鎖やハシゴにしっかり守られた子持山の岩塊登りで試してみたいと思ったのだった。

 

今回も車中泊からのスタートだが、前夜出るのが遅くなり出発は嵐山PAからとなった。

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関越道を北上し、群馬県に入ると右手に赤城山、左手に榛名山と続き、さらにその奥、渋川の広い平野の向こうに見えてくるのが子持山だ。左右の名山に引けを取らぬなかなか立派な山容だが名前はマイナーで、今回調べるまでおれは知らなかった。

 

渋川伊香保ICで高速を降り、渋川市内を抜けて子持神社の鳥居をくぐる。

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登山口までの車道も細い急坂で、路面凍結などを考えるとなかなかのアドベンチャーだ。ネットで調べた感じだとこの辺で道を間違えてしまうケースが間々あるようだが、ナビで奥の院までセットしていたのですんなりたどり着くことができた。

沢を渡る橋をいくつか過ぎて、7号橋の手前の駐車場に車を停めた。登山コースはいくつかあり、もっと長く歩くルートもあるが、今回は屏風岩の前を通る最短のルート(本に載ってた通りのコース)を選んだ。

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登山口手前から見える屏風岩。あの天辺にどうやって登るのか想像もつかない。

 

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やたら凶悪そうな熊に見送られ登山口へ。登山届のポストのところで立派な地図を配布している。届けを書いて地図をもらって最初は木道を登っていく。左手を見上げると巨大な一枚岩。

 

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この屏風岩にハシゴと鎖を使って登る。

そして…

おれは登ったはずなのだがかなりビビっていたため写真を撮るのも忘れたようで、この先がどんなだったかいまいち思い出せない。。

ただ、高度感とはこういうものだったというのを思い知らされ、今まで登った岩場とはかなり違った股間のザワつきを意識しながら、天辺あたりでは岩にすがりつくような屁っ放り腰でなんとか登りきった感じだった。

 

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降りるのもかなりビビりつつ、なんとか屏風岩から帰還し、その後は沢伝いから落葉した樹林帯の急登を登っていく。

そして尾根近くまで登りきったあたりで子持山のシンボルとも言える獅子岩が見えてくる。

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獅子岩へは背中側からのアプローチ。頂上付近までは意外とすんなり上がれるが、徐々に高度感が迫ってくる。

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最後の鎖梯子は少々オーバーハング的なところもあり、この辺から天辺まではなかなか緊張感があった。

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獅子岩の頂より。崖っぷちまで近づくことができないので、おれの感じた恐怖が今ひとつ伝わらないのが残念だ。

足場や手がかりがしっかりした壁面よりも、周りが全部切れ落ちている岩の上の立っているという心許ない状況が恐怖感を煽る。高さがなければなんてことない場所なのだが、風に煽られたりつまずいたりして、制御不能の空間に投げ出されたら…という悪いイメージに囚われて身体が萎縮してしまう感じ。

そのイメージをコントロールする術を会得するのが今後の課題である。

 

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振り返って見る獅子岩。向こうに見えるのは左が赤城山、右が榛名山。そのさらに先に関東平野が広がっている。

 

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 獅子岩を降りるとそこから山頂まではゆるい登りの痩せ尾根を歩いて行く感じだ。切立った場所でも下の斜面が樹々で覆われているため恐怖感はない。

柳木ヶ峯を経由して山頂まで、1km程の気分の良い稜線歩きだが、緊張感が去ると風が冷たく感じられるようになってきた。

短い距離だが比較的長く感じた。獅子岩から山頂までコースタイムで1時間。ちょうどそのくらいで到着。

 

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さほど広くはないが休憩しやすい平らに開けた山頂。風が冷たいのでダウンを取り出して着込んだ。ここまで出会ったのは同じ道を歩いていて時々行きあう感じだったカップルさん一組。獅子岩をおれが先に降り、ここまで一本道だったはずなのに、おれが着いたときに何故か先にいてお弁当を広げていた。

そしてカップルだと思ったのに良く見ると母と息子のようにも見える。。

すごく微妙な感じのお二人さんで、挨拶がてら少し話などもしたのだが、結局その関係を掴むことはできなかった。

おれが後から着いたのは、どうやら獅子岩から降りるときに余計なところまで下り過ぎてしまっていたようだった。

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お二人さんが先に発った後、お握りとパンで簡単な食事を済ませて周囲の山々を眺めた。北に谷川連邦。北東側には武尊山日光白根山など。

寒さのため長居もできず、早々に出立。

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来た道を柳木ヶ峯まで戻って、そこから大タルミへ降りる。かなりの急坂で手がかりがない場所もあり、下の木の幹に向かってダイブみたいに降りたところも。尻餅を2回ほどついた。

 

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そこから先は獅子岩を眺めながらの下り。急な下りも次第に落ち着き最後はのんびり林道歩きでしばらく行くと駐車場。全行程4.8km と以外と短い山歩きだった。

 

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7号橋駐車場から子持神社の鳥居までおよそ1.5km。ここを起点にぐるっと回る周回コースをとることもできるようだ。ただ、スリリングなポイントは大方この日歩いたコースに凝縮されているので、大回りだと残りの部分はのんびりハイキングとなるようである。

 

そんな感じで今回は、「高所恐怖症は克服されたかも」などという淡い勘違いを思いっきり払拭してもらえたという、山のありがたみを全身で体感した山行となった。おかげで自分の身の程が良くわかったし、調子に乗って無茶せずに今後も安全登山ができるというものだ… 

 

2015年へ続く

 

決定版 関東の名山ベスト100 (大人の遠足BOOK)

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今回の地図はこちらから引用

 

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