おれの山、おれの道

生半可なおっさんが主観的に山登りと人生を語るブログ

其の二十七 武尊山 2015/8/12

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群馬県利根郡に鎮座する武尊山水上町片品村川場村の境に位置し、日本百名山に挙げられた山である。

武尊は「ぶそん」でも「たけるのみこと」でもなく「ほたか」と読む。諸説あるが何らかの当て字のようであり、通常の漢字読みでは武尊を「ほたか」とは読まない。

 

山に登る者が「ほたか」と言えば、通常北アルプスの重鎮であるあの穂高連峰が先に思い浮かぶことだろう。その辺に気を使ってかあえて「上州武尊」と呼ばれたりもするらしい。

 

そしてこの武尊山、周囲をぐるりと名だたる百名山に囲まれており、なんとなく存在感が薄い。

西には谷川岳、北には尾瀬至仏山、東には日光白根山、南には赤城山。。

おまけに何故かこの武尊山は、日本国内の2000mを超える山の中で、唯一、国立、国定、県立のあらゆる自然公園に含まれていない山なのだそうだ。

 

なんとなく浮かばれない感じの修験の山。

百名山にしては少々荒れた感じの野趣あふれるこの山に登ったのは2015年の8月12日の事で、登山口に向かう車中のラジオでは翌年から1日前の11日が「山の日」に制定されること、そして御巣鷹山日航機墜落事故からこの日でちょうど30年目であるというようなことが話題になっていた。

本当は盆の連休に絡められるよう12日を山の日にしたかったようだが、事故に憚って11日になったとのことだ。

 

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武尊神社から武尊沢沿いに進み、剣ヶ峰分岐から手小屋沢避難小屋分岐を経て武尊山山頂へ。そこから稜線伝いに剣ヶ峰山へ縦走し、最初の分岐へと下りそのまま武尊神社へ戻る。歩行距離11.6km、累積標高差は1216m、標準コースタイムが7時間40分とほどほどにハードなコースだ。

 

前日の夜に出発し、今回は赤城高原SAで起床。となりの赤城PAで2度ほど車中泊したことがあるが、こちらの方が広くて車が多いものの、車の流れから離れた場所に停めることができる。おかげで睡眠もばっちり、なかなか快適に過ごすことができた。

前夜1時過ぎに停めた頃には周りにまばらだった車が目覚めた時にはいっぱいになっていた。平日だが盆休みの時期だから車の出も多いのだろう。渋滞などに巻き込まれぬよう、早々に出発だ。

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水上ICで高速を降り、コンビニで行動食とカップラーメン、それに朝食のパンを調達。このまま国道を北へ向かえば谷川岳にも行ける。去年歩いた稜線を思い浮かべ気持ちが揺らぐが、今回は新しい頂への思いが勝る。それに人気の谷川岳よりも武尊山の方が、きっと空いてて快適な登山ができるにちがいない。。

 

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国道を左に折れて県道63号を東へ。この道には「奥利根ゆけむり街道」という名前がついている。利根川に沿って山に分け入って行く、良く整備された快適な道。至仏山尾瀬への入り口となる鳩待峠へもここから行くことができるが、おれの目指す武尊山はその手前を右へ分ける。

 

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途中いい感じのキャンプ場を越えてさらに進み、武尊神社の駐車場へ到着。その先の林道に乗り入れれば少し先にも駐車スペースがあるようだが、今回はここからスタートだ。

【7:20】準備を済ませ歩き出す。

 

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武尊神社は簡素な作りだが由緒を感じる。山の神に挨拶して先へ。

 

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しばらく林道を歩くと奥の駐車スペースへ出る。ガイドブックでは手前の駐車場を推奨していたが、普通にここまで来て何ら問題ないように思える。が、余計に歩いて損したなどと言ってはいけない。

 

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林道の通行止めを越えていよいよ登山道へ。案内標識の文字が勇ましげでGOOD!
避難小屋経由で山頂まで3.7km。数字で見るより長い道のりだ。

 

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笹薮が多い。細い沢などと絡みつつ、藪を分けた道を進む。

 

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草木に圧倒されるような気がしてつい花など愛でてみる。よく見かける花だが名前はわからない。

 

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 原色が鮮やかなキノコ。こういう奴は食べるとやばいらしい。

 

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登山道はやはりなんとなく荒れた印象。このへんが国立自然公園などとの違いなのだろうか。それとも単に笹薮の威力が強い土地柄なのだろうか。虫の羽音がまとわりつくのが気になり始める。

大方アブなのだろうが、時々重低音の羽音が混じる。スズメバチなんぞも目につきゆっくりと足を止める気にならず、否応無く先を急ぐ羽目に。

 

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楽しみにしていた鎖場。なかなかの斜面だが足場が良く普通に楽しめるレベル。ただこの時はまとわりつく羽音に追い立てられる気分で登っていたのであまり印象が残っていない。。

 

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山頂が近づくにつれて、結構長い鎖が連続する。羽音と競争しつつテンポよくクリアして進む。

 

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鎖を登りきって少し行くと森林限界を越え、武尊山の山頂が見えてくる。道は依然として荒れた感じがあるが、開放感があってなかなか良い感じになってきた。羽音も振り切れたようで、周囲を見渡しながら気分よく山頂を目指す。

 

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山頂手前から稜線を望む。左手が武尊山の山頂(沖武尊)。稜線をたどった先がその後向かう剣ヶ峰山だ。天気は晴れとは言えないが雨も降らず、真夏のこの時期を考えればかえって歩きやすい好天と言えるだろう。

 

【10:50】山頂に到着。

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武尊山頂モニュメントの4点セットを巡礼。

360℃の展望が開けた山頂からは周囲の百名山武尊山を構成する他の峰々を望むことができる。

ちなみに武尊山というのは最高峰2158mの沖武尊(ここの山頂)を筆頭に前武尊、剣峰、家ノ串、中ノ岳、剣峰山、獅子ガ鼻山と2000m級7座の峰頭を連ねる山々の総称だそうだ。

平らで程ほどに広い山頂で昼飯がてら40分ほど休憩し、【11:30】剣ヶ峰山に向けて沖武尊を後にする。

 

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稜線は低い木々の間の道を行く。常に視界が開けていて周囲の山や、これから向かう山、さっきまでいた山がずっと視界に収まる感じだ。20分くらいで歩いたような気がしていたが、今記録を見るとちょうど1時間かかっている。すごく気分の良い道だったので短く感じたのだろう。

周囲を見渡して同じような写真を何枚も取りながら歩いていった。

 

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行く手のとんがりピークは剣ヶ峰山。振り返って見た沖武尊は幾つもの2000m級の峰を連ねて壁のようにそそり立っている。

 

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剣ヶ峰山のピークの手前、岩の間の暗いところで光っている苔を発見。しばし見入った後、最後は岩の間の急登を登り詰める。

 

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剣ヶ峰山の山頂は道の脇の標識と、一本道しかない感じ。展望は良いがゆっくり休める感じの場所ではなかった。

狭い山頂で先着していた他の登山者の方としばし談笑し、沖武尊をバックに写真を撮ってもらったら、来た道を引き返す格好で下山に向かう。

とんがりの分だけ戻ったら、左手に分かれて一気に下るコースに入る。

 

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下り始めてから武尊沢の渡渉点まで、こんな感じで岩交じりの根っこの階段みたいな急坂下りがひたすら続く。足を取られて転がろうものなら大変である。時には背中向きの三点支持で降りていくような場所もあって意外と大変だった。

 

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稜線歩きは快適だったが下りに入ると登りと同様ゆっくり休むことができなかった。登りの時は虫の羽音に追い立てられてのことだったが、下りは単純に休める場所がなかったのである。

それでようやく荷物を下ろして腰をつけたのが武尊沢の渡渉点。このあたりでちょうど根っこ道の急坂下りも落ち着いてくる感じだ。

岩が転がる間を冷たく澄んだ水が流れていく。

曇りとはいえやはり8月。全身汗でドロドロになっており、マイナスイオン漂う沢の空気が心地よい。顔を洗いタオルを水に浸して汗を拭う。

良いタイミングで訪れた絶好のリフレッシュポイントだ。

 

そんな感じで休んでいると後続の登山者が何組かやって来る。少し離れた場所に腰を下ろして休む人もいればそのまま通過していく人もいる。

 

その中の一人が蜂に刺されたというのでポイズンリムーバーと消毒液を貸してやった。剣ヶ峰山でちょっと言葉を交わし写真を撮ってもらった二人組の女性のうちの一人だったが、下りの厳しい場所で思うように動けないところで蜂の巣の側を通ってしまい、次々に出てくる蜂に何箇所か刺されたらしい。

刺したのはスズメバチではなく小さな蜂だったとのことなので大事には至らないだろうが、楽しいはずの山行がブルーな思い出にならないことを祈りたい。

 

それにしても蜂というのも厄介な相手である。岩場などでろくに身動きできないところを襲われたら万事休すといった感じだ。

なのでおれは夏場の登山ではスズメバチに対応できる殺虫剤を携帯し、どんな体勢でもすぐ取り出して使用できるように装備していくことにしている。

 

応急処置に必要なものを一通り提供し、先へ。あとはなだらかな道を歩いて出発地点の武尊神社に戻るだけだ。

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林道の途中でふと名も知らぬ花を愛でようと覗いてみると、小さいカミキリ虫が短い夏を懸命に謳歌していた。

よろしくやんなよ、というつぶやきを残し、山のおっさんは武尊山を後にしたのだった。

 

夏の山では虫に注意、というのが今回の最大の教訓である。

そしてできればまたいずれ、虫の出ない季節にこの武尊山をゆっくり味わってみたいと思う。以上。

 

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