おれの山、おれの道

生半可なおっさんが主観的に山登りと人生を語るブログ

其の三十一 比企三山縦走(笠山・堂平山・大霧山) 2015/10/21

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地図を広げて奥武蔵をざっと眺めると、尾根の連なりやピークの配置、林道と絡む登山道の連なりなどといった観点から幾つかのエリアに分かれる感じが見えてくる。

特に深く探求したわけでもないのであくまでおれの印象レベルでいうと、たとえば日和田山から始まってユガテ、越上山、顔振峠と連なる主脈的な尾根のエリアだったり、そこから林道「グリーンライン」沿いに深く入っていき刈場坂峠を経て丸山方面、そこから下った芦ヶ久保を越えて、武川岳、大持、小持山を経て武甲山と続くエリアだったり、その手前、正丸峠から伊豆ヶ岳、子の権現だったり、名郷を中心に棒ノ嶺、蕨山、有間峠方面のエリアだったり…

 

 そのようになんとなく区分されたエリア同士がまたなんとなく繋がる感じがあったりして、それをまた繋いだり分けしたりしてルートを考えたりするのが楽しい奥武蔵なわけだが、そんな奥武蔵にあって笠山、堂平山、大霧山と馬蹄形に連なる比企三山は他との繋がりから一歩離れた独特の存在感を放っているのだった。

 

埼玉県の中央付近(ちょっと西寄り)に位置する比企三山。遮るもののない真っ平らな関東平野から西の方を眺めると、秩父方面の最前列の山並みの北端あたりで目立っているのが笠山と堂平山で大霧山はその裏あたりに位置している。f:id:yoshixim:20160922225218j:plain
さいたま市某所から眺めた秩父方面。中央左寄りの突起が武甲山。右側の小ぶりな突起が笠山。そこまでの関東平野は真っ平ら。

 

笠山は浅い円錐形の山容の先端に突起のようなピークを持ち、それが傘に見えるのでそのような名前がついたようだが、その様は乳房のようにも見えるため別名「乳房山」といもいうらしい。それを踏まえて関越道から眺めると「あれか」と一発でわかる。

堂平山は山頂に平成12年まで国立天文台だった設備があり、関東平野の夜景と満天の星空を眺められるご機嫌なキャンプ場なんかも併設している(この秋我が家でもテントを張るべく予約済み)。

そして大霧山は東に秩父高原牧場、西には秩父盆地武甲山両神山などを望むロケーションの絶好な山だ。

 

そんな見所満載の比企三山だが、やはりそこは埼玉。他県の人たちにはまるで知られていないだろうし、おれ自身も山登りを始めるまではその存在を知る由もなかった次第である。

 

この辺を歩くにあたって少し調べてみると、「並」のハイキングコースとして紹介されているのは笠山と堂平山の二山を結ぶ10km弱のコースだ。大霧山はそれとは別のハイキングコースとして設定される。

それを一歩進めた「大盛り」くらいなのが三山を馬蹄形に縦走するコースで健脚ハイカーなら一日でぐるっと一周できる感じ。馬蹄形とは読んで字の如く、馬の蹄のの形のこと。

さらに進めて「メガ盛り」クラスの「外秩父七峰縦走」などという無謀なコースも設定されており、年に一度、フルマラソンと同じ距離を歩くハイキング大会も開催されている。

ちなみに比企三山を馬蹄形で歩くと上記三つの山に七峰に数えられる剣ヶ峰も通るので、外秩父七峰の括りのうちの四峰を超えることになる。

 

で、どうせここの山を歩くならこの馬蹄形のコースを歩こうとけっこう前から狙っていたのだが。。

なんとなく気になるもののなかなか足が向かずにいた。

 

ネックになっていたのはやはり距離の長さだ。そのうえ縦走となるとアップダウンが続くので体力面も心配だし時間もそれを踏まえて確保しなければならない。また、標高800m前後の低山なので夏場は暑い。。

前半の笠山、堂平山はセットで難なくいけるが、終盤の大霧山は少し離れている上に、定峰峠から大霧山へ向かう道に入るとその先にはエスケープルートがない。さらに最後の下山の行程が無駄に長い感じなので疲れた状態でそこを歩くのがきつそうだ。

 

ルートを検討するにつけ色々とネガティブな要素が目につき、地味な山歩きのでありながら痛い目に合いそうだなという懸念が払拭できず、今ひとつ踏み切れずにいたのである。

 

そんな次第で時々検討してはまだやめておこうと先延ばしにしたり、時間が取れそうになってみると結局遠くの別の山に目が向いたりといった感じでなかなか足が向かなかった比企三山。

夏が去り日本三大急登の一角を制覇した今こそが「その時」だとというわけで、行ってみることにしたのだった。

 

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ヤマメの里公園の駐車場から右回りに笠山、七重峠、堂平山、剣ヶ峰、白石峠、定峰峠、大霧山、粥仁田峠と回る。歩行距離は19km弱で標高差は670m程度。

 

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当日は子供とヨメさんを送ってから関越道に乗り、嵐山小川インターで降りて走ること小一時間、スタート地点となるヤマメの里公園の駐車場に車を置いて出発したのが10:45。これから歩くロングコースを思えば早いスタートとは言えない。

駐車場から出ると道を挟んだ目の前にトイレがある。その先の登山道の入り口もわかりやすく出発点はなかなかいい感じだ。

最初しばらくは登山道なのか集落の生活道路なのかイマイチわかりにくい感じの道。墓地の脇などぬけながら九十九折の林道を串刺しにするような登山道で標高を上げていく。

 

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秩父七峰ハイキングの案内板に従って笠山チェックポイントを目指す。山里をぬけ林道を逸れ、徐々に山の中へ。

 

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林道は笠山の中腹を巻いた後、七重峠のあたりで再び登山道と交差する。ちなみにこの看板では七重峠ではなく笠山峠と表記されている。

 

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しばらくは植林帯が続くが尾根に出ると植生が変わる。道の明るさも全然違う。

 

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ガスった尾根道をしばらく歩くと笠山神社、山頂標識は少し離れたところに立っている。眺望はゼロ。この辺りで2組ほどのハイカーと行き合った。

山の神様に挨拶を済ませ、早々に下る。来た道をちょっとだけ戻り、道を分けて七重峠へ。

 

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笠山を下り切ったあたりだからこの辺が七重峠。クマの目撃情報は5年前のもの。

 

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峠から堂平山までの登りはコースタイムで40分。

 

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樹林をぬけて芝生の広場に出るも霧の中。作業道をぬけてさらに歩くと。。

 

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これがかつての国立天文台。ドーム食堂で豚汁やら弁当やらが食べれるようだとろくにリサーチもせずにおぼろな期待をしてきたのだが、今日は閉まっていてがっかり。基本週末のみの営業のようだ。食料は乾きものの行動食しか持ってきていないのだった。

 

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【13:05】堂平山頂。霧の中の怪しげなミステリーサークル。全方位の山の配置が網羅されているが霧の中ですぐそこのドームすら霞んでいる。

 

 

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堂平山頂までコースタイム3時間10分を3時間20分で歩いた。休憩を入れればほぼコースタイム通りか。。

飯も食えず景色も見れず、ガスに追われるように先へと急ぐ。

 

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堂平山から剣ヶ峰山(何げに本日の最高峰で堂平山より20cm高いようだが、地味すぎて気づかず写真もない)を経て白石峠。舗装道路や電波塔やら送電線やらが絡む趣きの乏しい道だった。そしてここ白石峠から定峰峠まで、再び登山道に分け入って、名も無きピークをつなぐ稜線を辿っていくこともできるのだが。

42キロを歩く外秩父七峰縦走ハイキングのコースでも当然ここから登山道に入るコースが採用されているのだが。。

 

ここまであまり休憩も取らずに歩いて来たのでおれは疲れていたのだった。

さらにろくな食事も取れず、腹も減っているのだった。

白石峠と定峰峠はこの舗装道路の一本道で(緩い下り勾配)繋がっている。

時間もコースタイム通りな感じで、当初思っていたほどペースが上がっていない。

そんなわけでここでちょっとだけズル調整することとし、コースタイムで50分かかる尾根道を端折って舗装道路の緩い下り坂を小走りに行かせてもらうことにした。

 

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で、10分ちょっとで定峰峠、茶屋は開いていて暖かい蕎麦にありつくことができた。峠道には自転車やらバイクやらが数台止まっていた。肉蕎麦に玉子をトッピング。ロケーションと空腹具合もプラスされて超美味かった。

 

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諸々チャージして大霧山へ。獅子岩を越えてさらに尾根道の緩い登りを進んでいく。

 

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ダイダラボッチなる巨人がここら辺の地名の由来にいろいろと影響を与えているらしい。ダイダラボッチって名前はどっかで聞いたことがある感じけど何だっけ? もののけ姫とかに出てきたっけ。見た目ずいぶん違うけど。。

などと思案しながら旧定峰峠を越える。【15:05】

 

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大霧山に差し掛かると向かって右手に展望が開ける。秩父高原牧場の放牧地とのことだがこの時は牛の姿は見えなかった。向こうに見えるのが笠山。

 

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で、【15:45】大霧山山頂に到着。晴れていれば秩父から上州方面の山々が一望のはずだがほとんど何も見えない。まあ今日は仕方がない。。

 

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しばし休憩の後、さらにまっすぐ先へ向かうと道はすぐに下りに入り30分足らずで大霧山への反対側の登山口である粥仁田峠に到着する。東屋やコース案内板、登山届け用のポストなどが設置されていて、今日歩いた中では一番登山道らしい感じの入り口だ。

こっち周りでスタートすれば山歩きの気分が少し違ったものになりそうな気がしないでもない。

 

ここから先は舗装された林道を辿り出発点に戻るのだが、ここのルートというのが今回の山行の一つのネックになっている。

普通に地図にある道を行くとずいぶん 遠回りさせられる感じがあり、なるべく最短ルートを通って戻りたいと考えていたのだが、その辺の有効な情報がいまいち見つけられなかった。

そこで今回はいつも使っているGPSアプリ上になんとなく示されている怪しげな道らしき線を辿ってみようと考えていた。

 

ちなみにおれが愛用しているGPSアプリは「やまやまGPS」というやつで無料有料含めていろんな地図を読み込ませられるのだが、基本的に倹約家のおれは金を掛けずにすむなら掛けないというポリシーに従って、タダで使えるOpenStreetMapを使用している。

で、この地図はウィキペディアみたいにユーザーが地図を編集できたりするようで、実際に信用していいのかよくわからんような登山道が正規の登山道と同じような扱いで記されていたりすることも間々あり、地図上に道があると思って行ってみたら「とんでもない!」といった状況に陥らせてくれたりするのだった。

 

 そんなわけで行っていいもんか迷わないでもなかったがとにかく誰かが記した最短ルートをいってみたのである。

で結果、途中予期せぬ登り道などあったもののなかなかいい感じに、たぶん放牧地の作業道みたいな通っていいのかいけないのかよくわからないところを通って下山することができた。

 

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集落が見えてくるころには日も傾き始め、街灯に明かりが灯り始めた里山の暗い道を抜けて出発地点に帰り着いたのは【17:15】頃。

日もすっかり短くなってきたようで、帰り支度をしているうちにあたりは宵闇に包まれてしまった。途中一部を端折った判断は一応正解だったようである。

行動時間はトータルで6時間20分。これから帰って子供たちを迎えて晩飯食わせてと考えるとギリギリいっぱいな感じだ。

 

今回はある程度の長丁場が予想されていた割に出かけるのが遅くなり、余裕のない山行となった。天候がイマイチな時期でなかなか機会に恵まれない中で時間をやりくりした面もあるので仕方ないことではあるが、ガスって眺望も乏しい低山の同じような景色が続く中で、ひたすら予定のコースを歩き切ることが目的になってしまった感がある。

 

そんなわけで、次に行くときにはもっと楽しめる感じで歩いてみたい比企三山であった。

 

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山と高原地図 奥武蔵・秩父 2016 (登山地図 | マップル)

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