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おれの山、おれの道

生半可なおっさんが主観的に山登りと人生を語るブログ

其の壱 筑波山 2013/12/8

山行記録 親子登山 百名山

大山詣でから数日、山の本を時々眺めながら登山ということについてなんとなく思いを馳せる日々が続いた。

思えばおれの両親は富山県の出身で、小さい頃から夏休みには親戚やらの家に遊びに、何度となく立山連峰の麓の町に遊びに行ったものである。

父親にしても親戚のおばちゃんにしても立山やら剣岳やら、地元の人間として当たり前のように登ったことがあるというような話を聞かされた記憶がある。

 意外と山に登るのも悪くないかも知れないなと、なんとなくそんな気持ちが芽生え初めていた。

 

しかし体力的にどうなのだろう。最近は仕事も車移動が主で、歩くことも面倒になりつつあるおれにとって、ひたすら坂道を登り続ける登山という行為は苦痛以外の意味を持ち得るのか?

そんな危惧が拭えぬまま、しかし山への興味は日々募っていく…

逡巡の末に導き出された答え、それが筑波山だった。

 

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関東平野の北東の縁で一際存在感を放っているのはなんとなく知りつつも、今までさしたる興味を向けたこともなかったあの山が、突如としてスポットライトの中に浮かび上がってきた。

平坦でだだっ広い関東平野を見下ろすように、つくば市の北端に堂々たる山容を晒す独立峰。周囲に比較対象となる山が無いのでさぞかし立派な山なのだろうと思いきや標高は877米という小ぢんまりとしたサイズ。しかしながら、日本百名山に数えられているのにはきっとそれなりの理由があるのだろう。

以前に誰かが「筑波山はいいよ」と言っていたような、そんな記憶がよみがえるが、いったい何がいいのか、それがいつ、どこで聞いた話なのかは定かではない。

その良さを自分の目で確かめてみるしかないだろう…

 

で、手元の本やネットやらでちょいと調べてみると、どうやらここもケーブルカー、ロープウェイ完備で山頂付近まで歩かずに行けるようだ。途中少し歩きのルートも取り入れて、女体山と男体山という2つの山頂の間を歩けば無理せず周回できる。

まあ、今にして思えば登山の「と」の字もないようなお散歩コースなわけだが、この時はまだ小さい子供を連れてのハイキング程度しか考えていなかったので、そんなノリで次にあいてる週末に、ドライブがてら出かけていったのだった。

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当時の感覚だと休日の8時に出かけて行くというのはそれなりに早出と言える。筑波山神社近くの公営駐車場に着いたのは10時頃。大山のあの混雑と比べると、休日の割に空いている印象だ。

土産物屋や旅館が並ぶメインストリートを抜け、神社に着く。ガマの油売りを軽く眺めてからお参りを済ませ、そのままロープウェイ乗り場まで2キロほど山道を歩く「迎場コース」に向かった。

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今にして振り返ると、まあ平凡な、よく整備された登山道というかハイキングコースである。

だがほとんど山歩きの経験のないおれは、昔登った高尾山や先日の大山という乏しい体験を引き合いに「これが登山」といった感慨にひたりつつ、木漏れ日の射す緩やかな登り道をニューバランスのスニーカーで踏みしめながら、意気揚々と歩いたものである。

そして登山家気分で息を切らせながら歩いていく親父のあとをヨメが子供を背負ってついて来る…

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人に見せるのも憚られるなんともお恥ずかしい状況であるが、この当時のおれはかなり足腰がなまっており、対してヨメは基本的にタフが売りのアマゾネスであったので、おれが面倒ごとを家族に押し付けるひどい親父というわけではなく、こうすることが家族全体の利益に適うのだということをお断りしておく。

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登山道の歩きは小一時間ほど。途中、山頂方面へ向かう白雲橋コースと分かれるが、緩い登りのまま歩き続けロープウェイ乗り場となるつつじヶ丘に出る。

観光地としては、ここに車を停めてロープウェイで山頂へという利用者も多いのだろう。広い駐車場と食堂や土産物売り場を備えたロープウェイの駅、ちんまりとした遊園地などもある古びた観光地然とした佇まいである。山道には人はまばらだったが、ここからは観光客がどっと増え、ロープウェイから女体山まではかなり混雑する流れに乗って進んでいく感じになった。

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@女体山山頂付近、向こうに見えるのは男体山

 

行列に並び満員のロープウェイで一気に登ると、そこからさしたる苦労もなくすぐに山頂に着いてしまう。山頂周辺はなかなかの混雑具合で、周りにいるのは登山者というよりほとんどが観光客だ。登山というにはほど遠い感じだが、神社を抜けた先の本当の山頂部の景色だけは違った。

むき出しの岩を登った先に広がるのは、関東平野一望の絶景。ロープウェイで上がってきただけなのに、いっぱしの山を登ったような気分で下界を見下ろすことができる。

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この景色こそが筑波山の山としての最大の見所のように思う。切り立った岩の上に立ち、遮るものの何もない場所から関東平野を真下に一望できるということではこれ以上の場所はそうはないだろう。

人が多く、子供達にとっては少々危なっかしい場所ということもあり、そんなに長い間留まることはなかったが、ここの景色の印象は、他の山にいくつも登った今でも結構しっかり残っている。

 

女体山を下ると、その先は茶店の並ぶ御幸ヶ原を抜けて男体山山頂、少し戻ってケーブルカーで下山する感じだ。男体山の山頂に登る際にちょっとした岩場があり、今にしてみればなんてことないのだが、観光登山の視点から見ると「なんでこんな険しい岩場が?」とか「登るのはいいけど降りれるの?」とか、そんな風に思ったことを思い出す。なかなか微笑ましい話である。

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まあ最初の経験はこんな感じだが、それでもおれは山に登った気分になって、春になったら本格的にやってみようかなどというようなことを考え始めていた。

 

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