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おれの山、おれの道

生半可なおっさんが主観的に山登りと人生を語るブログ

其の十九 箱根・湯坂路〜駒ケ岳 2015/5/3

本格登山デビュー戦で苦い砂をかみしめた鍋割山の悲劇から1年。またゴールデンウィークというやつがやってきた。そしてこのGWには当然昨年の雪辱戦が控えているのだが、 その前哨戦として、おれは前々から興味のあった箱根の山に登るスケジュールを少々強引に突っ込んでみたのだった。

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この年のGWには嫁の姉と甥っ子姪っ子が実家に集合する感じになり、そこを起点に山のぼりを絡めたいおれは、まず当然のごとく去年の雪辱戦をスケジュールに組み入れ、さらに子供達と嫁家族が揃って箱根のフォレストアドベンチャーに行くとのことで、なるべくさらりと切り出してみた。

 「今回のGWはそっちの実家メインで過ごすだろ。でもずっと一緒ってなるとやっぱおれは部外者だし、なんとなく申し訳ない気がしてくるんだよね。だからせっかくそっちの家族が揃って箱根に行くんだったら、おれも一緒に行くけど、途中でちょっと別れて山でも登ってみるのもいいかな~と思ってるんだけどさ」

 

嫁の方にはやはり自分の実家で全面的にGWを過ごすことについて少しは引け目があるようだ。疑うような視線を一瞬向けてきたがすぐにそれを引っ込め、ここは変に突っ込まずにおれの意を汲んでもよかろうと判断したようだ。

「まあ、大人もたくさんいるし、甥っ子も大きくなって手もかからないし、ずっと子供の遊びに付き合わせるのも可哀想だしね。まあ、いいわ」

少し恩着せがましい物言いが鼻に付くが、まあ無事に了承を得たのだった。

foret-aventure.jp

◼︎フォレストアドベンチャー。この時は子供の遊びと見向きもしなかったが、改めて見てみるとこれはこれでなかなかに面白そうだ。秩父にも奥多摩にもあるようだし、そのうち行ってみよう。。

 

そんな次第で今回は箱根の山を湯元からてっぺんまで登り切るという、なかなかに興味深い山行である。

本来箱根というのは山ありきの名所なのだと思うのだが、登山鉄道とケーブルカー、ロープウェイ、さらに随所を走る便利なバス網とによって、気楽に観光することができる反面、本来の「山を味わう」というところが忘れ去られた状況になっているように思われる。

登山が好きな人にとっては、「何もあんな観光地で登山しなくてもいい山は他にあるし」と。

そして観光客からすれば「箱根フリーパスで乗り物乗り放題なんだからわざわざ歩く必要なんかないわ」と。

だが、本来はかつて「天下の剣」と唱われたその山こそが箱根の箱根たる所以なのではあるまいか。

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◼︎今回のルートは箱根湯本駅からスタート。鎌倉の昔に源頼朝が箱根詣でに通ったとされる古道「湯坂路」を辿り浅間山、千条の滝を経て小涌谷駅へ。そこから登山鉄道、ケーブルカー、さらにロープウェイを乗り継いで、登山の第2ラウンドは大涌谷から。玉子茶屋の人混みを抜けて登山道に入ったら最高峰の神山(1438m)、さらに進んで駒ケ岳まで本格的な山歩き。その後はロープウェイで芦ノ湖へ下りて、バスで湯元に戻る。歩行距離は約12kmだ。

そんな感じで箱根のメインルートを美味しいところだけ歩いてあとは交通機関で満喫するというGWにふさわしい贅沢ツアーなのである!地図は一部ちょっと勘違いがあり、ロープウェイのところにケーブルカーと入れてしまった。面倒くさいのでこのままいきます。。

 

そんなわけで今日はゴールデンウィーク真っ只中の箱根の山を、家族と離れて一人で存分に満喫してやるぜ!

と、思いきや。。 

 

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ヒットマンみたいな怪しい黒メガネをかけたヨメが登場!

 

普段は子供を置いて遊びに行くなんてことはほとんどないのだが、自分の家族に託せるならと安心したのか、意外にもこっちについてきたのだった。。

サングラス、ゴルゴ13松田優作あたりに影響を受けたのかと思ったら某ハリウッド女優を真似たとのこと。この画像では小さくてわからないと思うが。

 

足腰は丈夫なヨメなので足手まといになることもないし、たまには二人で歩くのもまあいいだろう。

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湯坂路の入り口は国道1号沿い。道の脇から入る細い坂を登っていく。すぐに国道は見えなくなり町の喧騒から隔絶された森の中の山道が始まる。鎌倉古道という名の通り、鎌倉時代から人の往来があったという由緒正しき道。

坂城址のある最初の高台まで、急な斜面を一気に登る。

 

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最初の急登を10分足らずで登りきったら、そこから先は広く開けた平らな尾根の緩い坂道を、あまり登りを意識せずに歩いていく。開放的でただただ気分よく歩ける道だ。

ゴールデンウィークの休日だから各観光スポットは混み合っているはずだがこの道中では時々すれ違う程度で、読み通り人はまばらの貸切に近い状態である。

 

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湯坂山547m、城山743mと知らず知らず標高もあがり、やがてひときわ開けた大平台分岐に出る。そのまま同じ調子で歩いていけば湯坂路最高地点の浅間山(せんげんやま)に出る。ここも開けた平らな山頂でテーブルなんかもあり、休憩にはちょうどよい場所である。

だが、気分的にはまだ歩き始めたばかりな感じで軽く一休みしたらすぐに出発だ。

 

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浅間山から千条の滝への下り。比較的急な下りで森の密度が濃くなる。虫の勢いもすごく、タオルを振り回しながら歩いた。

この辺の区間では逆コースから歩いてくる観光色の強い家族連れなどが、かなり辛そうにヒィヒィ言いながら登ってくるのに何組かすれ違った。下の千条の滝から浅間山まで登ってみようと歩いているのだろうが、地図上ではすぐ近くに見えるわりに登りが急なので、観光の人にはなかなか辛い道だろうと思われる。

下りはその分楽で、足元に気をつけつつ一気に下っていった。

 

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千条の滝に到着。ここらあたりから観光地に入るので、徐々に人が増えてくる。しばしマイナスイオンを浴びならが休憩し、小涌谷駅へと向かう。

 

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小涌谷から登山電車。その終点の強羅からケーブルカーで早雲山。さらにロープウェイで大涌谷まで移動。その間は普通にゴールデンウィークな感じの人混みで、乗り換えのたびに行列に並んでケーブルカーは都心の通勤ラッシュばりの混雑具合だ(写真など取る余裕もなかったのでイメージは箱根登山鉄道のサイトからお借りしております)。

標高を確認すると、小涌谷が523mくらいで大涌谷が1044m。およそ500mほど上がった地点から、再スタートだ。

 

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大涌谷といえば黒玉子。だがバラ売りしてないとのことで、6個入りのを買っても荷物になるため今回はパス。玉子茶屋の周囲は予想どおりの混雑ぶり。売店で焼きそばとホットドッグとかそんな感じの軽食を買って階段の傍あたりに座って腹に入れたら出発だ。美味い物はあとのお楽しみということで。

登山道へはゲートを開いて入る。こういうところの写真を撮っていないケースが我ながら多いと思うのだが、当時はブログに書くとか考えていたわけではないので仕方がないところだ。

ゲートを入るとそこから先は登山者の世界。だが、しばらくは舗装された散策路みたいな感じの道が続く。大涌谷から上がってくる湯気がやけに多いなと思いながら、硫黄の臭いプンプンのエリアを抜けていく。。

 

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大涌谷のガレ場を抜けて、再び森の中へ。最初のうちは岩が多い感じの荒っぽい登りが続く。前に見えるのは冠ヶ岳。妙に尖った感じでよく目立つ。神山手前から10分程度でピストンできるようだが今回は行きそびれてしまった。

 

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今回の最高地点は神山1437.7m。山頂はそこそこの広さがあるが展望は無い。3組ほどの先客で満席という感じだった。特に食事の用意もないのでここですることは何もない。。

小雨がぱらつき始めたので長居することもなく先へ。

 

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岩が多かった道がいつしか赤土の道になっている。小雨の影響もあって少しぬかるむような場所も出てきたため、足元にスパッツを装着して先に進む。基本あまり変化もなく、眺望も良くない道中を、ヨメさんのマシンガントークになんとなく相槌を返しながら歩いていたので、このあたりのことはあまり記憶にない。。

ようやく木々の間の細い道を抜けて視界が広がると、行く手にこんもりとした丸っこい感じの山が見えてくる。あれが今回のゴールとなる駒ケ岳だ。

あとは山頂を視界に捉えながら最後の登りをひたすらに登るのみ。 

 

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最初に見えてくるのはでかいコンクリートの塊。駒ケ岳ロープウェイの頂上駅だ。

 

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箱根駒ケ岳の山頂は一段高い元宮のほうから緩やかな傾斜はあるものの、概ね平らな感じに広く開けていて、ロープウェイ駅の広場からは柵越しに芦ノ湖が見渡せる。

山頂をぐるっと回れる遊歩道があるのでとりあえず一回りしてみる。左側から時計回りに行くとすぐに何故か岩がゴロゴロと転がってる場所がある。

 

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次に元宮に向かう。その手前からのパノラマ。なんとなくどんよりとした感じ。

そういえば思い出したけど、山頂につく少し前から尿意を感じており、ロープウェイの駅にトイレがあるものと思ってアテにしてきたら、山頂駅には無いのだと言われてなんとなくソワソワしながらおれはこの辺を歩いていたのだった。どうでもいい話ですみませんが。

一年前の話なので今はどうなのかわからないけど、行かれる方は気をつけて。

 

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相模湾を眺め、元宮に参り、帰途につく。

ロープウェイで芦ノ湖畔に降り、真っ先にトイレを済ませ、バスの時刻を確認すると30分以上あったので、店に入ってそばをいただいた。例によってその辺の写真など残ってもいないのだが、桜エビのかき揚げみたいのがついた美味しい箱根そばだったような気がする。

まあ本文ではあまり触れていないが、たまには夫婦水入らずで山を歩くのも悪くはなかったのだと思う。。

 

で、これもここまで本文では触れてないのだが、その日の翌日のニュース。

news.mynavi.jp

「5月3日に確認された蒸気が引き続き勢いよく噴出していることを確認した」とのことで、翌5月4日に大涌谷に立ち入り禁止の指示が出たのだった。確かにこの日歩いた大涌谷の遊歩道、こんなに蒸気が出るものかという印象を受けた。だが比較の対象もないもんで「きっとこんなものなのだろう」とやり過ごしていたわけだが。。

 

自然というのは人間が生身で立ち向かっても全く敵わないものだということを、ここ数年の出来事をみただけでも散々思い知らされている身としては、なかなかに複雑な思いである。

以前はテレビの向こう側の出来事のように見ていた自然の威力を、山に行くようになってより一層リアルに体感している次第ではあるが、それでもやはり危機意識みたいのはともすると油断しがちだ。

ここ最近でも山での遭難のニュースなどが連日報道されている。

大自然の中で、何かが起こってからでは人間はほとんど無力なのだと思う。

その辺を踏まえて無理せず安全な登山を心がけたいところである。

 

今現在もこのエリアは立ち入り禁止となっている。

www.pref.kanagawa.jp

 

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