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おれの山、おれの道

生半可なおっさんが主観的に山登りと人生を語るブログ

其の弐 鎌倉アルプス(天園コース) 2014/1/18

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@大平山山頂付近の広場

日本アルプス、と呼ばれる山脈群がある。南、中央、北に分かれ、それぞれに3000米級の山々が連なる、登山家の憧れの地。富士山と昨年噴火した御嶽山を除くと、我が国の3000米峰は全てこの日本アルプスの中に収まっている。

日本を代表する山は言わずと知れた富士山かもしれないが、日本を代表する「山岳地帯」となるとそれは日本アルプスで間違いないだろう。

 

だがしかし、「アルプス」である。アルプスというのは「アルプスの少女ハイジ」の育ったヨーロッパの山脈である。日本を代表する山岳地帯にヨーロッパの一つの山脈の名前をつけてしまっていいのだろうか? 「日本ヒマラヤ」でも「日本アンデス」でも「日本ロッキー」でも良かったのだろうか? まあ、最初にそう呼んだのは日本人ではなくヨーロッパの登山家であり、その登山家によって世界に紹介されてしまったのだというのだから、如何ともしがたい面もあるが。

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@本家アルプス山脈 モンブランマッターホルン

 

それはさておき、日本各地に「銀座」と名がつく商店街が無数にあるように、日本各地に「アルプス」と名がつく縦走路が数多く存在する。

なんというか、権威に弱い日本人の性なのだろうか、有名どころにあやかるように、安易に名前を借りてくるのもどうだろうかと思わないでもないのだが、「鎌倉アルプス」などと聞くと、本物の「アルプス」の一端でも垣間見えるのではないかと、出かけて行ってしまうのは素人の性である。

 

というわけで、鎌倉の「天園コース」と呼ばれるハイキングコース、通称「鎌倉アルプス」にまたしても家族を伴い出かけたのは、年が明けた2014年、1月半ばのことだった。

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@建長寺

 

小学校の時に社会の授業で習った知識によると、鎌倉は源頼朝が「いい国つくろう!」と幕府を開いたことによって栄えた都市であり、前を海、背後を山に囲まれた天然の要害であることからこの地が選ばれたとのことだった。鎌倉アルプスはその背後の山の一部で建長寺から半僧坊を抜けて稜線に上がり、そこから大平山、天園、天台山を通り瑞泉寺に下りる5km程の縦走路だ。

 

「天然の要害」の上を通る「アルプス」を名乗る「縦走路」なわけだが、まあ実際のところは150メートルそこそこの低山の上の平坦な道を行く快適なハイキングコースである。

ずいぶん昔にバイトしていた店の大変世話になった店長が「女の子連れて行くなら北鎌倉のハイキングコースがいいぞ」と教えてくれたのは恐らくここのことだろう。かれこれ20年の時を超えて、店長おすすめのコースを家族と歩くわけである。

 

家族とのお出かけは必然的に土日祝日となるので当然ながらどこも混雑する。予想はしていたが出発点最寄りの北鎌倉駅周辺では駐車場は軒並み満車だ。鎌倉駅まで行こうかと諦めつつ渋滞する県道を進んでいったが、登山口となる建長寺の駐車場がたまたま空いていたため、一番近いところにひとまず止めることができた。

このコースは周回コースではないので下山後に街中を歩いてここまでもどらなければならないが、ひとまずラッキーなスタートだ。

 

登山道は建長寺を抜けた先にあり、寺の境内を通らなければならないため、入り口で拝観料を払う。大人200円だかそんな金額だったと思うが、払ったからには元を取ろうと考えるのが貧乏人の性、きちんとお寺見物をしてから進む。寺の裏手から長い階段を上っていくと半僧坊。ここまでで登りの半分ぐらいは済んでしまう感じだ。高台から振り返ると、海まで続く鎌倉の街が一望できる。

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眼下に見る鎌倉の街は思いのほか小さな街である。そうと知らなければ、ここがかつて日本の政治の中心だった土地だなどとは思いも及ばないだろう。

源頼朝という人は、島流しにされて再起したこの土地が余程気に入っていたのか、それとも他の土地のことを知らない田舎者の坂東武者だったのか。

そんな感慨もそこそこに、先へ進めばすぐに山道に入る。

 

混み合う観光地の近くであっても山道に入ると人はまばらなことが多い。この時もハイキングには時期外れということもあってか、歩いている人は少なかった。

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一度登ってしまえば、その後は微かなアップダウンはあるものの平坦に近い道が続く。だが街からほど近い場所とは思えない、なかなかに登山テイストを味わえる雰囲気の道だ。途中には岩場のような場所もあり、中にはロープの垂らしてある場所なんかもある。

子供をヨメに任せ、一端の登山者気分で歩くおれ。岩の一つも乗り越えてご満悦なわけだが…

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今、写真をみて振り返ると、さすがにちょっと信じられない光景である。ロープを持って岩場を下るヨメの腕に、2歳半の下の娘が… しかもその様をおれは上から撮影しているという… さすがにそこまでのことはなかったのではと目を疑う思いだが、あからさまに事実をつきつけられるに及び、さすがに見て見ぬ振りもできんので、隠さずにここに晒すことにする。

一応、途中で食べる弁当や飲み物の入ったリュックはおれが背負っていたのだと申し開きだけはしておきたいところだが…

 

で、おれが背負って運んだその弁当は大平山付近の広場でいただき、その先にあった茶屋でおでんをいただき、瑞泉寺の方に下っていく道沿いにはちょっとした沢があったりといくつかの見どころを通過し、しばらく歩いていくうちに道は舗道となり、やがて民家などが見えてきて下山となった。

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下山後は観光気分で鎌倉の街を散策し、鶴岡八幡宮にも寄ってと、さすがに店長のおすすめというだけあって、家族で歩いても十分楽しめる充実のハイキングコースだった。付き合い始めたばかり女の子と歩けばもっと楽しいのは間違いないので(店長の常套手段とのことだった)そんな時には是非おすすめである。

 

以上、なかなかに登山気分を味わえる鎌倉アルプスだったが、登りはほぼ最初だけで(半分は階段)、そのあとは静かな山道をのんびり歩けるハイキングコースというのがその実態のようであった。そのハイキングを通じてアルプスの一端を垣間見ることができたかは、定かでない。

 

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