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おれの山、おれの道

生半可なおっさんが主観的に山登りと人生を語るブログ

其の三十六 高尾山 2016/4/6

山行記録 親子登山 東京の山

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浮世のことなど我関せずと斜に構えて生きてきたおれだが、子供ができれば世の中の面倒な仕組みなんぞと否応なく関わらなければならなくなるわけで、こんなダメ親父でもPTA問題やら待機児童問題やらに直面したり、子供のいじめ問題や教育行政など色々と気になってみては腹が立ったりうんざりしたり、それでいて出来れば自分は関わりたくないなと思ったり、そんなことで一々庶民を右往左往させないようにもっと利用しやすく現実問題に即した社会インフラを構築しやがれと行政に責任転嫁したりしながら、休みの日には山に行きたくてソワソワしてたりするのである。

 

ウチは共働きでムスメが二人。下は保育園で上は小学生だ。両親ともフルで働いているので上のムスメは小学校のあとは学童保育に通っている。

保育園も学童も入れるとなると色々面倒なことが多く、うちも諸々の騒動があった挙句、ヨメの力技でなんとかいい具合に収まったのだが、それでも学童保育は学校のすぐ近くのところには入れなくて、ムスメは一年生の時から放課後に2km近い距離を歩いて毎日通っているのである。

 

まったく意地らしい話で、時々仕事の合間に思い出して不意にうるっと来たりもするのだが、仕事が終わって迎えに行ってみるといつもの調子で言うこと聞かずに隙あらば遊び騒ごうとするガキどもなもんで、そんな想いなどすぐに吹っ飛んで「うるせーぞガキども!」と怒鳴り散らしたりと至らぬ親ぶりをさらしまくっている日々である。

 

そんな具合なので冬休みも春休みも親が仕事の日は上のムスメは学童(下はもちろん保育園)。

夏や冬には盆暮れ正月があるので親も休んで出かけたりとなるのだが、春休みは特にそういうタイミングもなく淡々と過ぎて行ってしまいそうである。

しかしせっかくの春休み。子供にとって、この年の春休みは一度しかない掛け替えのない春休みなのだ。毎日学童通いで終わらせてしまうのも忍びないかと、ふと親父は思いつくのである。

 

が、ダメ親父は貴重な休みには山にでも出かけたいなと思うのである。

春休みのはずの子供を学童保育に行かせて親父は山へ。。

さすがにそれは許されざる所業のように思えてくるのだが、実は先週の休みはすでにこんな感じで過ごしてしまったのだった。

 

さすがにまずいな。

という自覚がある。親として戒めねばという自省が半分、突き刺さるヨメの視線が半分。。

だが、年明けから全然山に行けなかった反動も強く、麗らかに晴れわたる春の日差しを浴びるに及び、下界でくすぶっているわけにはいかないと、おれの中の山男の血がさわぐのであった。

そしてその血がおれの脳裏に一つのひらめきを呼び起こす。

 

そうだ、高尾山行こう。。

 

そんな感じで今回は春休みのムスメと一緒に、平日ならばそんなに混み合ってもいないだろうと電車に揺られて高尾山を目指したのだった。

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かつておれにとって高尾山とはリフトとかケーブルカーで登ってサル園を眺めて山頂付近の寺社仏閣を巡ったり、自然と触れ合いながらちょときつい階段を登ったり、コインを入れる式の望遠鏡で東京タワーやサンシャインビルを眺めたり、いつかあのビアガーデンには行っときたいなと狙ってたりする東京の外れの大掛かりな自然公園のような存在だった。

 

時に興が乗れば少し奥まで歩いてもみじ台の茶屋だとか、さらに足を伸ばして相模湖まで自然歩道で降った日には一端のハイカーになった気分で下山口の茶店でコーヒーなぞ飲んで達成感に浸ったり。。

山登りをしない人間が登り得る唯一の山として、おれの中で山や自然を求める衝動を満たしてくれる場所だったのである。

本格的(?)に登山を始めるまでの40年余の人生の中で、たぶん10回ぐらいは足を運んでいる場所。

そこに山登りを始めたおれが行くのだから、今までとは一味違った新たな高尾山が見えてこようというものだ。

 

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と、妙な期待を抱きつつ今回は高尾山頂からサクッと陣馬山くらいまで歩いてやろうと健脚自慢の小学3年生を伴って京王線の終点高尾山口に到着したのが午前10時過ぎ。ガイド本によると高尾山頂から陣馬山を経由して中央本線藤野駅へ降りるとなるとコースタイムは8時間くらいとある。これには高尾山頂までの時間が入っていないのでそれを2時間とみたら10時間。。

今から行ったら下山は20時過ぎ?

 

しかし何故かその辺を深く考えずになんとなく行けそうな気分になっているからタチが悪い。まあダメなら途中でエスケープルートもたくさんあるし行けるところまで行けばいいかととりあえず出発である。

 

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久しぶりの高尾山。駅周辺の様子が変わっていてびっくり。ずいぶん小洒落た感じで温泉施設までできている。

おれの記憶の中ではあまり垢抜けない、小山ゆうえんちとかむさしの村とか、昭和の遊園地的なものを彷彿とさせる風情の場所であったのだが。

 

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しかし垢抜けてしまったのは駅前だけのようで、そこから先、ケーブルカー乗り場までの遊歩道は以前のまんまの懐かしい感じであった。

ケーフルカー乗り場を少し上がったところから、今回はリフトに乗って上まで登る。

 

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以前に来た時乗って以来、「山に行くならあのリフトがある山がいい」といつも言うくらいムスメはこのエコーリフトに乗りたがっていたのだ。おかげでムスメのテンションも高く、この調子で一気に陣馬山まで行けそうな気分になる上々のスタートとなった。

ちなみに親父は花粉症のためマスクと花粉メガネを装着で、ちょっとした不審者状態だ。

 

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リフトを降りたあたりの広場、霞台からの眺め。

 

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サル園や茶屋などを眺めながら参道を登っていく。茶屋や土産物屋があるたびにムスメが足を止め物欲しげに眺める。団子が食べたい、おでんが食べたい、お土産欲しいとうるさくて仕方がない。

 

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山頂手前の薬王院。今回は簡単にお参りを済ませて先へ向かう。

 

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山頂手前のやまびこ茶屋で、名物と謳っているカレーを食べてみる。味がどうこうと言う以前に、山でこのあたり前な感じのカレーライスを食べること自体が至福である。ムスメは大好物のおでんと持参のおにぎりで昼食。

ここまではなかなかいい感じだ。

 

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そして程なく山頂に到着。平日だがやはり人出が多い。ここは写真だけ撮ってスルーとし、ようやく観光地を離れて山へ向かう。

時刻は11:50。陣馬山には着けるのか??

 

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もみじ台を過ぎ、本格的なトレッキングコースに入るとしばらくの間そこそこ急な感じのアップダウンが続く。昔の記憶によると、相模湖に降りる東海自然歩道との分岐がある城山あたりまではゆるゆるとあっという間に着くような印象だったのだが、コースタイムで見ると1時間とある。

そして登って降りてを繰り返しているうちに。。

 

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一丁平を過ぎたあたりで早くもやる気が切れるムスメ。下り道はまだ普通に歩くのだが登りとなると大儀そうに息を切らす風を装い表情にも全く覇気がない。

さらにあろうことかおれのiPhoneのカメラのピントが突然合わなくなって、撮る写真がボヤけるようになってしまった。一体どうしたのかとおれはカメラを気にしつつ、ムスメはそれをいいことにだらだらと足を引きずるような芝居がかった歩き方でモタモタとかなり遅れて歩いてくる。

一気にペースが落ちてきた。これじゃ陣馬山どころか景信山も危うい感じだ。

カメラのことは一旦置いて、先に進まなければならない。

 

「疲れた。歩きたくない。何か食べたい」と、そんなことばかり言い始めたムスメを励ましつつ歩かせるがこっちも段々イラついてくる。

それでもここで怒るよりかと「じゃあ、次の茶屋についたら一休みしよう」と提案し、先ほど高尾山に登る途中にあった茶店で見て以来食べたがっている味噌田楽が茶店にあったら食わしてやろうと約束する。

ちなみにカメラの方はメーカーも把握している固有の不具合のようで保証期間は過ぎていたが無償修理で後日直してもらった。

この先のピントがあっている写真は自撮り側のカメラを使って撮ったものである。

 

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そして到着した城山の茶店。味噌田楽があったので買ってやったのだが。。

最初はテンション上がって喜ぶムスメだが、一口かじって動きが止まる。

そしてしばしの沈黙のあと。

「これ、食べれない。。」

 

どうやら味噌の中に山椒なんぞが入っており、子供の口には合わなかったようである。仕方なくおれが全部食べてムスメにはラムネなんぞを飲ませてやったのだが、もはや一旦狂った歯車が再び噛み合うことはなかった。

 

 その先城山まで下って景信山に向かうつもりがなぜか小仏峠から下り道に入ってしまい10分くらい下ったところで気がついて登り返すも、これがなかなかの急坂だ。時間と体力をロスしておれのテンションも一気にダウン。

戻った小仏峠から景信山への登りは標高差200m超。見上げた感じだけでなかなかきついのがわかる。

ムスメに道を間違えたことを責められたり、カメラのこともあったりでもうなんだか面倒くせえなと、こっちもやさぐれモードに突入だ。

 

そんな次第で「やーめた」となって小仏峠で大休止。

湯を沸かし、コーヒなど飲んでぼんやりしていると、暇になったムスメは広場で遊んでいるうちに向こうの方でおじさん二人組のハイカーに声をかけられ、構ってもらっているようだ。しばしそんな光景を眺めながら休憩した後、おじさんハイカーにムスメを構ってもらったお礼がてら挨拶し、しばし談笑。

陣馬山まで行こうと思ってたんですけどダメでした〜」

「いやあ、陣馬は遠いから朝早く出なきゃ厳しいよ〜」

とかそんな感じで。何となく気分を腐らせる失敗体験も、吐き出して笑い飛ばしてしまえば切り替わるもんで。

別れた後、「優しいおじさん達だったね」とムスメもなんだかご満悦の様子だった。

 

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それから再び城山へ登り返して東海自然歩道を相模湖へと下る。登山を始める前にも何度かこの道で相模湖に降りたことがあったが、その時の印象と比して、今歩いてみるとずいぶん気楽なハイキングコースという感じだ。

登りでは抜け殻状態のムスメだが下りでは俄然回復。そこから先は楽しい気分で締めることができた。

陣馬山まで縦走などと軽く考えてやってきたが、結果的に登山を始めるずっと前に歩いたのと同じようなコースを辿っただけの形になったというお粗末な次第である。。

 

下山口の茶屋を過ぎ甲州街道を渡る信号を待っていると、一台の車が止まり中から声がした。どうやらおれ達に何か言っているようで、見るとさっき小仏峠で会ったおじさん達である。

「良かったら乗ってきな〜」と声がかかる。

相模湖駅までは歩いて2km弱の距離だし、のんびり行けばいいかなと思っていたが、せっかくの好意だ。ありがたく乗せていただくことにした。

 

このコースで降りて相模湖駅まで行くことはさっき会った時に話していたのだが、おじさん達は小仏峠を少し降りたあたりに車を止めてたそうで、別れた後にすぐに下山しての帰り道、「通るかな?」と気にかけながらちょっと回り道してみたとのことだった。

 

こういう偶然が小学生のムスメにとってはちょっとした奇跡のように思えるようで、家に帰って嬉しそうにヨメに報告していたが、ふんふんと話を聞き終わったヨメは一言。

「でも、知らないおじさんの車になんか乗っちゃだめよ」

まあ確かに、親としてその辺は釘を刺しといたほうがいいのかもしれないが、世知辛い世の中である。

 

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エコーリフトを降りて歩き出したのが10:40過ぎ。やまびこ茶屋でカレーを食べて山頂着が11:49。城山に着いたのは13:20で、小仏峠まで進んでちょっと下りて戻って下山が15:20頃となった。最初目指した陣馬山は地図では左上、景信山、堂所山と続く稜線をさらに進んだ地図の外。そこから尾根を降りてとなるとこのまま進んでも日没前の下山はとても無理な感じだ。いずれちゃんと計画してリベンジします。。 

 

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